Zephyr ®バルブ
重症COPD/高度肺気腫に対する気管支鏡的肺容量減量術
息切れの原因である肺の過膨張を解消
重症COPD/肺気腫患者の多くは、薬物療法および呼吸リハビリテーションを中心とした保存的治療を受けています。しかし、これらの治療は、呼吸困難の要因の一つである肺の過膨張そのものを改善することはできません。
その結果、薬物療法により病状が安定している患者においても、労作時の息切れが持続するケースが少なくありません。呼吸困難は身体活動量の低下を招き、QOLの低下を引き起こすとともに、さらなる呼吸困難の悪化へとつながる悪循環を形成する可能性があります。
Zephyr バルブを用いた治療は、重症COPD/肺気腫患者における臨床的有用性が確立されています。過去の臨床試験において、薬物療法単独と比較して、Zephyr バルブ治療群では臨床的ベネフィットおよびQOLの改善が認められています。
低侵襲な気管支鏡的治療
Zephyr 気管支バルブは、気管支鏡を用いて(多くの場合全身麻酔下で)留置されるデバイスです。本デバイスは、一方向弁構造を有しており、呼気時には標的肺葉から空気の排出を促進し、吸気時の空気の流入を遮断します。その結果、標的肺葉は徐々に無気肺化し、肺容量減少 (lung volume reduction)をもたらすことで、過膨張の改善に寄与します。*
標的肺葉の容量減少により、呼吸困難症状の軽減、運動耐容能の向上、ならびにQOLの改善に寄与します。 治療時間は約1時間です。
Zephyrバルブによる治療の合併症には、気胸、COPD症状の悪化、喀血、肺炎、呼吸困難、 まれに死亡などがありますが、これらに限定されません。
Zephyrバルブの留置概要
-
1軟性気管支鏡を用いて標的肺葉にアプローチ
-
2専用のデリバリーカテーテルを
標的気管支に進める -
3標的気管支にZephyrバルブを
留置し標的肺葉を閉塞 -
4標的肺葉からの空気の排出を
促進させ、流入を遮断 -
5平均3〜5個のZephyrバルブを
用いて標的肺葉を閉塞 -
6標的肺葉が減量
呼吸機能および息切れを改善
Zephyrバルブ留置後の管理について
治療後は、最低4日間の入院を推奨しています。これは治療後の合併症をモニターするために重要です。気管支バルブ治療に関連する重大な合併症は気胸です。
標的肺葉の無気肺化に伴い、同側肺葉が拡張します。この際、すでに気腫性変化をきたしている同側肺葉の肺実質組織が裂傷し気胸が発生する場合があります。
LIBERATE試験においては、気胸を経験した被験者で、気胸を経験しなかった被験者と同等の治療ベネフィットが報告されています。*
Zephyrバルブによる治療後は、肺炎、COPD増悪、呼吸不全等が報告されているため、これらの事象についても注意が必要です。
* Criner G et al. AJRCCM 2018; 198(9):1151-1164